消費増税後やコロナウイルス 関係についても書きたい気もしますが今回の雑記は音楽関係です。個別に記事にしようとしつつ手が止まっていたネタをまとめました。
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HA-1A Mk2
真空管アンプを試したい思いが強くなり、増税前後の時期に前から気になっていたカインのHA-1A Mk2を購入していました。外観は側面が木目調の枠で覆われており、正面はメタルで高級感があり手に持つとずっしりと重いです。正面には丸い窓が開いていて、中の真空管を眺めることができます。綺麗です。動作中は真空管ゆえに熱を持ちますが、上に排気口があり、埃除けに布などで塞いだままにしていると全体が高温になるので注意が必要です。
本機は真空管を使用したヘッドホンアンプで、RCA2系統の入力とアンバランス2系統とRCA出力1系統があります。アンバランス2系統はそれぞれ味付けが異なり、左側はドンシャリよりでシャープ感のある出音、右はややマイルドで満遍なく音が満ちている温かみのある出音の2種類になっています。立ち上げてから30〜40分は慣らしが必要で、徐々に音が濃くなっていったり、電源オフ時に徐々に音が消えていくアナログ感も面白いです。UD505との組み合わせはネットで時々見るのもあり、フラット(クール寄り)で繊細なUD505の音に温かみのある低音の厚みと押し出し強めの味付けが加わります。
HD700を久しぶりにアンバランスケーブルにしましたが、バランス接続の分離感は薄まりますが、音全体に厚みが出て、角が取れて柔らかくなる感覚があります。ある意味ではゼンハイザーらしい音になったというか、濃さやマイルドさが同居する音になります。ただ、UD505バランス直の輪郭のシャキッとした繊細な音に慣れていると、アンバランス時の性質なのか激し目ラウド系のロックなどの音が混在する状況だと埋もれがちなのが気になり若干目論見が外れた感があります。
また、HD800SもUD505では低音がさっぱりしすぎる感がありましたが、本機に繋ぐことで元々の音の広さに加えて濃さが出て充実感のある音で聞けます。もともとパワーのあるアンプを想定されている(ゼンハイザー純正アンプも濃い目という話なので)のでむしろこれが想定された方向性なのだろうかなと。解像感が高く分離も良いためHD700で感じた混在感もなく立体感が出るため手持ちのヘッドホンで一番相性が良い気がします。接続は気分で選べますが左側に差して弱ドンシャリ風味はメリハリあっていいなとも。低音の厚みと押し出しの強さが出ながら高音のシャープな刺激も残るため、オールジャンルで鮮度と暖かさのバランスが心地よく、自分的に当面はこの辺りがリスニングのゴールでいいかなとも思っています(記事の時点で半年近く経過)。別のアンプから接続した時の印象はまた変わるかもしれませんが。
その他、T1 2ndも温かみとマイルドさが強調されるバランスは悪くなく、HD660Sも濃厚かつパワフルで意外といけます。ただ、比較対象がないのでわからないのですが、つなぐヘッドホンによっては無音時にかすかに乗るハムノイズが気にならないではないです。特にSR325eなど音の相性は良さそうですが、低インピーダンス故かノイズがかなり大きめに乗ります。(真空管とはそうしたものかもしれませんが)。
DA310USB→HA-1A Mk2→UD-505(バランス)
これはネット上で見かけて試したかったHA-1A Mk2のサンドイッチ構成です。本当はUD505をDACとして使いながらHA-1A Mk2の先でバランス接続できると良いなとは思うのですが、手持ちで出来る範囲ではこうなりました。DA310USBもこなれてきて音も悪くないのもあり、DACとして使うのも良いかなと。ただ比べるとやはりUD505の解像感の高さというか繊細さと応用の利き具合には適わないので、試してみた程度というか、音調整もケーブルでざっくりとした傾向を変えるハード的になります。
この構成はHD700本来のエッジ感や空間が残っているのもあり、複数のアンプの組み合わせによる濃厚さの中にありながら抜けのある空間も感じさせます。音の傾向としては、UD505→HA-1A Mk2の繊細さ+真空管らしい暖かさと比べると、DA310USBのやや強調感のある音に滑らかな厚みと空間を足した感じを基本に、UD505を通してバランス出力したことで音がシャキッとします。空間広目、低音厚く、高音も抜け、シャープさとマイルドさが同居、というある意味それぞれのキャラクターのイメージを重ねたような音に感じます。HD660Sも平たかった空間が広がり、この構成のmora qualitasで聴くと情報量も広がりも滑らかさも良い感じに思えHD700と使い分けたくなります。ただ、分離感や解像感や立体感はUD505単体ほどはないので、やはりUD505をDACとして使いたくなり、痛し痒しだったりも。
アンプ3台構成はUD505を使っていながら、バランス出力要員となっている点が機能を生かしきれていない感じがして少々もったいない感じがしていますが、自分の中ではHD700を使用したロック、ポップ、電子音特化の方向性としてはこの辺りもありかなと思っています。UD505に直挿ししたときのクリアで見通しの良いさっぱりとした音と3台ないし2台構成での濃さとを気分によって使い分ける満足感はあります
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T1 2nd+UD505
時々記事内に出てくるように、T1 2ndは昨年中古で購入していました。UD-505のリファレンスヘッドホンなだけあって、多くの人が言うように良い組み合わせだと思います。ただ、個人的には音源によってちょっと高音に違和感がなくもないです。HD700も高音がシャープで尖っているのですが、こちらは自分的には気持ち良い刺激でないというか、うまく言葉にできませんがこの辺りが正確にレビューできる気がしなかったので、記事にしませんでした。
また、以前の試聴時に書いた事はそのまま今でも思っていて、クリアさや立体感や空間の広さや鳴り方の真っ直ぐさなどHD700の持つ良い面もあり、好みの問題もあるとは思うのですが案外T1よりもHD700の方が伸び代があるように思えてしまい真空管アンプにまで手を伸ばしていました。とはいえ、ともするとスッキリしすぎる感のあるUD-505で十分充実感のある音で鳴るので、あれこれ迷うよりもこれひとつで済ませるというのも良いかと思わせる組み合わせです。
因みにT1 2ndをバランス接続するとクリアさと分離感が向上し、高音の違和感もなくなり素直に鳴るので、これはこれでHD700バランスに厚みを加えたような音でアリですが、アンバランスでの柔らかさや豊かさも同時に削られるので、T1 2ndの特徴や良さを考えると良し悪しかなとも。レビューなどを見るとベイヤーではDT1990あたりの方が好みに合いそうな予感がしています。
さらに因みに上記のアンプ三台構成でT1バランスを繋いでmora qualitasで聴くと、解像感高く音に張りと艶があり、抜けも良く低音も厚く高音もキラキラしていて、家にあるヘッドホンの中で一番ポップスにも合う万能仕様な気がしています。半解放ゆえにやや中低音が抜けきらない感覚はありますが。
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その他細々した話
・アプリ版mora qualitas
2月から待望のアプリ版が始まっています。色々とケチはついていますが、ようやく本来の形が整いつつあるといったところでしょうか。そう言いつつ、Androidの対応が微妙そうなのと楽曲の更新状況を見て、2月はサブスク更新してないのですが。
・USB関係
昨年末辺りからMacOSをメインにするようになって、USBの電源供給の仕様の違いか、UD505のバルクペットの挙動がWin運用の頃と変わった影響でアコリバのケーブルでの恩恵が薄くなっている印象です。それもあって、最近ではUSBケーブルはAIMのUA3を使用する機会が増えました。情報量と空間性と滑らかさと明瞭さのバランスが良いです。AmazonMusicを聴くときにUA3を使うとmora qualitasで感じたキメの細かさと押し出しの強さに近いものが得られたので、妥協とは言え更新を一時保留しました(と言いつつモバイル環境を確認するのも含めてそのうちまた継続しそうですが)。
因みに、エレコムの安いオーディオ用のも買っていたのを思い出して繋いでみたところ、プリンターケーブルと比べると明瞭で、コスパは良いと思いました。さすがに他のオーディオ用ケーブルと比べると、ややマイルドで空間もこぢんまりとした印象です。改めて、UA3はパワーがあるというか銀線は電力供給効率が良さそうだなと。
・UD-505
愛用しているDAC兼アンプですが、いつの頃からか勝手に誤動作をするようになっています。電源を入れると頻繁にFactory Resetを聞かれ、MenuとInputのボタンが効かなくなったり、触ってもいないのに頻繁にMenuを押した挙動が繰り返されたり不安定です。もちろんファームもドライバも現時点の最新を入れています。ケーブルの抜き差しは割と頻繁ですが、本体には衝撃を与えたことも移動したこともありません。アンプとしては機能しているので放置していますが、誤動作で悪影響が出たらどうしようかとヒヤヒヤしています。