昨年そのうちやってみようかと書いていた、ヘッドホンのバイノーラル録音を試してみました。まずはテストを兼ねて手持ちのヘッドホンで録ってみましたが、いずれレビューとも組み合わせて行ってみようかと思います。
録音方法
使用機材:
TASCAMのICレコーダーとローランドのバイノーラルマイク、どちらもASMRの録音などでよく使われる定番の品です。録音方法はイヤホン型のマイクを自分の耳に装着し、その上からヘッドホンを装着して録音しますが、その間はできるだけ音を出さずにいるという実に力技な方法です。
16bit 44.1kHz Wav形式で録音後、 mp3の320kbpsに変換。
音源:
「騒音のない世界」で公開されている「エンターテイナーの最後」という曲の序盤です。
https://noiselessworld.net/
再生環境:
PC→Diablo(シングル接続)→ヘッドホン
ケーブルは600番台についてはすべてHD600の付属品、HD560Sも付属品を使用。
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録音データ
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まとめ
全体的に実際の音源よりもノイジーでモゴモゴした音に録れているので、録音設定がうまくいっていない感じもします。そもそも人間が音を知覚するのは鼓膜の位置で音を受容しているからなので、ヘッドホン内とはいえ耳の穴より外に出た位置にマイクを置いても距離が近いのでそうなるのはやむなしかなと思わないでもないです。
なので、ヘッドホンごとの相対的な差というか、スピーカーの空気録音のように雰囲気が伝わればいいかなと。あるいはノイズ除去など若干明瞭にする加工もできると良いのですが、とりあえずは録って音量だけ調整したものになります。
ヘッドホンごとの音については、HD600は癖がなく(近々記事にします)、HD650とよく似ているいうことと、自分のHD660Sはやっぱり篭もり感があるなというのと、HD560Sはさっぱりした鳴り方だなと。HD650についてはイヤパッドが互換品なのと、自分の型が古めで音も時期によってサイレント修正されるのを思えばあまり参考にはならないかもしれません。いずれにしても、自分が聞いて感覚的なものを言葉だけで説明するよりは説得力のあるレビューができそうな感じはしました。勿論、感性に訴えかけられる文才があればそれに越したことはないのかもしれないとも思いますが。
各ヘッドホンの周波数応答については計測した人がネットに公開しているので、以下に引用します。図の見方としては上段が元データで下段の黒い線が聴覚上フラットと言われるDFカーブかハーマンカーブか基準としている線です。それに対して、グレーの線がヘッドホンにそのカーブを適用してどのように重なっているかで傾向が見えてきます。HD660Sは3K以上の落ち込みから篭もりに感じられるのかもしれませんが、どうもホントかなと思ってしまうというか。勿論応答と篭もりはある程度の関係があるにせよ若干違和感を覚えてしまいます。2年来この状況ですが、個体差かもしれないので、新パッケージ版を買うか悩むところです(試聴に行ってもHD660Sを聞き忘れる)。
ついでに、たまたま挙げている機種はフラットよりが多いですが、周波数応答はあくまで傾向をみるものであって、必ずしもフラットであることが聴覚上優れているわけでもないですし、時間軸上の要素などそこに現れない要素も多々あります。なので、鳴り方の傾向の参考というか好みの形が分かればそれに近いものを探すのに使えばいいんじゃないかと思います(因みに自分はフラット寄りの弱ドンシャリが好き)。グラフを公開している人もそのようなことを書いていますし、聞いて楽しいことが大事ですので。
モニターヘッドホンとして有名なものもフラットではないことも多く、粗探しや目的に応じた使い方がされているという側面ががあります。一方でリファレンスとして使われるヘッドホンは割とフラット寄りが多いですかね?
また、一部でフラットが正義であるかのように、EQで補正してまでフラットにこだわるのはどうかと自分としては思います(EQで好みに調整すること自体は賛成)。個人的には、好みに合ったヘッドホンを探してその個性を愛しつつ、ハード微調整をケーブルやアンプで行う程度がいいかなとも。
以下参考として該当機種の周波数応答の引用
HD600
https://crinacle.com/graphs/headphones/sennheiser-hd600/
HD650
https://crinacle.com/graphs/headphones/sennheiser-hd650/
HD660S
https://crinacle.com/graphs/headphones/sennheiser-hd660s/
HD650S
https://crinacle.com/graphs/headphones/sennheiser-hd560s/
録音したことの一番の動機は自分のHD660Sが正常かどうかを知りたかったというか。自分の持っている個体の鳴り方が異常なら買い替えたいとは思います。