けもフレ2とケムリクサ

何の脈絡もなくアニメの話題ですがケムリ4話、けもの3話時点の感想です。

けものフレンズのアニメはリアルタイムで(1話を見逃して)2話から見ていましたが、低予算アニメながら独特のゆるさの中に世界観の謎が散りばめられていて、キャラ達の味も重なり癖になる作品で、人気になるのも分かる面白さがあったと思います。そもそも、ゲーム発でありながらいまいち振るわないままサービス終了した後に作られたアニメな訳で、誰も期待していなかったというのが正直な所だろうと思います。それが、ネット上でまさかの超話題作になるや大人の事情が発動してゴタゴタがあり、監督は下ろされて同時期(どころか同じ曜日の同じ時間の裏番組)に別の作品を監督するというのが今の状況です。

けもの2は絵的には全体的に小奇麗になっています。吉崎絵に近づいたようなモデリングや、けものキャラのかわいさをCGで現すこと自体はうまく行っていると思います(若干等身があがったことは違和感ですが)。予算が大分増えたんだろうなぁという事が見て取れるし、1期で感じた声の粗さもありません。ストーリーはプロットが1期をそのまま踏襲していて、乗り物が変わったこともあるのでしょうが、どうも1期の手法を「こういうものだしとけばいいだろう」というレールに乗った、良くも悪くも薄味の作品という印象です。次々出てくるキャラも台本によるのかいまいち魅力が出ないというか、サーバルの演技も、1期の荒削りながらメッセージを訴えかけてくる感じがなくなり丸くなっています。とはいっても無難に作られているので不必要にこき下ろす必要もないとは思いますが、1期の特性とその後のゴタゴタを鑑みると工作レベルでは済まない反発があっても仕方がないのでしょうが。

一方ケムリの方もプロットがけもの1期を踏襲して見えます。絵的には世界観もあって薄暗く、キャラデザも花がなく全体的に地味な印象です。ついでに主人公?の男キャラのキャラ付けや行動原理がどうにも違和感しか感じず非常にうざったい。世界観に謎が満ちていて過去に起きたことや先が気になるという見せ方は物語としてポイントが高いとは思いますが、どうも男キャラとトータルのキャラデザで損している気がしてなりません。よく言えば商業性を抜きに自分の世界観を具現化した尖った作品といえそうですが。こちらも現時点では不自然な高評価も低評価もしにくい作品だと思っています。

まとめると、まだ序盤ですがけものにまつわる騒動はどちらも得をしない結果になったなと。どちらも1期の成功体験を引きずりすぎてて、両者を足して2で割ればいい塩梅というか、けもの1期は奇跡的なバランスの上に成り立っていたんだなというのが、現時点での個人の感想です。

書いた後少し調べましたが、ケムリクサは元々数年前の自主制作アニメだったんですね。そうなると、けもの1期で良いスパイスとなっていた世界観の見せ方の方がむしろゲームが終了した後→世界崩壊後と解釈して、ケムリを下敷きに作られたのかもしれません(とはいえ、ほのぼのした世界の中で見え隠れする不穏な要素だったからこそ魅力的だったとも言えますが)。

そういえばけもフレ3のCMをしていましたがセガなんですね。(もうすでに悪い予感しかしない)