2019年春アニメ感想

今期もこの時期が来ました。最終回を迎えていないタイトルもあるため随時更新していきます。

 

消滅都市

今期は中々見れていないのですが全話完走一番乗りがこのタイトルだったというのも何だか自分のアニメの見方が偏っているように思えてしまいます。元がゲームのようですが、最初からどこかで見たような要素の詰め合わせの溢れ出るB級感と、本人達はいたってまじめなのにやっている事がシュールに見えてしまう絵がある種の期待を煽っていましたが、期待通りに着地した感があります。
途中も本筋にその話いるんだろうかという寄り道で本筋を作っていくような見せ方も微妙に荒い作画やキャストの熱演も絶妙でした。9話で世界観説明が入ってやっと締まりが出てきたかと思ったら、メガネが本体っぽそうな父親や、ラスボス登場時のヒロインの過剰な絶叫や、ラスボス倒す直接の原因が仲間割れの跳弾や、最後の「スクーターに乗れ!(スクーター万能モービル説)」などネタとして中々のクオリティを持っていたと思います。やや都合の良いハッピーエンドで落とすのかと思えば、現状を受け入れるエンドとラストシーンといい、何故か懐メロを使っていくのも含めて全体的に意識高そうでポイント高いです。色々記憶を辿って振り返ろうとすると真面目なのに面白く見えるシーンが思い出されてほっこりします。 2.8

 

賢者の孫

色々と突っ込みどころがありますが、こういうものとも言えるジャンルなので細かい事はいいのかなと。背景が他アニメの使いまわしというのも話題になっていますが、後半に行くほど絵と動きの質は緩めというか省エネ傾向だったように思います。見ていて若干だるい部分もあったため途中飛ばしながら見てしまいました。とはいえ、展開はご都合でも構成は割と無難で序盤と終盤の動く場所はしっかり動いていました。 2.9

 

群青のマグメル

主人公はテニスが得意そうですが、原作が同じと言う訳ではなさそうでした。時々ギャグなのか素なのかわからない展開や表現が多く、全体的にノリが15年ぐらい前の少年漫画的というか、1話完結で特に流れがあるわけでもなさそうですし、夕方に流した方がいいような気もします。2.9

 

からくりサーカス

感動の押し売り感と急に何言ってるの感や設定の後付け感があったりします。原作は長いそうなのでダイジェスト感もしょうがないのだと思いますが、熱さや生き様やそのキャラの矜持が良く出てる面白い部分もあり相殺して平均に落ち着きました。 3

 

僕達は勉強が出来ない

ありがちな学園ラブコメの最近良く見る勉強系です。3

 

ひとりぼっち

学園ものって卑屈な自虐ノリのも多いなぁと思います。3

 

フェアリーゴーン

線の多いキャラデザや気合の入った作画クオリティや演出などいい意味で期待はさせたものの、どうにも展開が盛り上がりに欠けるというか薄味(下手すると味がしない)です。歴史ドキュメンタリーのような表現を取り入れたり、複数の組織の人物が絡み合う群像の描写をしようとしているのも丁寧だと思いますが、人工妖精関連の話に入ってからさらに地味さが加速しているというか、人物紹介と説明的な描写をしてる間に12話まで来てしまった感じです。群像劇として見せるには大局の展開が淡々とイベントを羅列しているように見えて、もう少し人物同士の縦糸横糸の編み方や時系列を含めたつながり方に驚きやテーマ性が欲しいと思わせます。そうかといって主人公に感情移入するにも若干痛い子だったりその意思が物語の進行に大して影響しなかったり、戦闘に爽快感がなく、カタルシスや感情の揺さぶりもなく全体的に世界に没入しにくい作りになっているように思えてしまいます。スタンドのようなどこかで見た感のある設定もありますが、世界観の作り方や見せ方は一貫しているので、ドラマ部分が面白ければ渋い作品なりの良作になりそうです。3

 

仙狐さん

全肯定系ですが人物も少なめ、行動範囲も小さめで良くも悪くも予定調和の小粒感があります。キャラが増えて若干面白みが増えた感もありますがやってることが基本変わってないし、ところどころ気になる展開もありますが、日常系のツボは押さえてる感じはします。OPEDはかわいいです。 3.2

 

キャロル&チューズデイ

今期で一番予算かけて作ってるなぁという印象です。作画も綺麗で動く箇所も良く動くし全体的に質は高いのですが色々なことへの配慮や制限があるのか、どうにも淡々として突き抜けた要素がないような(唯一詐欺ロボぐらい)。曲はAIが作曲する世界というのもあってか、現在の洋楽シーンにリンクしたエレクトロポップやEDMが中心で、主人公はアコースティックに近い構成だったりというのは面白いと思いますし、曲自体にも力を入れている感じがします。ただ、曲の良し悪しを語っているのにどの要素がそう思わせるのか(そのアーティストの特徴や聞き所、比較してどこが優れているのか)という描写もないので視聴者を納得させるには弱い気がします。また、主人公達がいきなりレベルMAXでスタートしているようにも見える(男2人は音楽制作のスキルを匂わせながらただの進行役兼便利屋というかAIが得意な方はその設定がなかったことになってそうです)のは人間ドラマをメインに見せるためかと思いきや、序盤の青臭さは鳴りを潜めて段々とパターン化し歌番組編に入ってからは展開や言動に粗も感じさせます。全体を通して脇キャラの歌やダンスの占める割合が大きく視点が客観的になりがちだったりもするので、音楽シーンとサクセスストーリーと少女の友情や人間ドラマやその他をまとめて見せるには、色々な面でややかみ合いが良くないようにも見えてしまいます。キャラ自体も自身を語る割にいまいち掴みにくく、2クールらしいので今後も気になるタイトルではあります。3.3

 

ROBIHACHI

中々評価が難しいSF東海道中膝栗毛です。女子向けのようなキャストや絵や線の軽さを持ちながら串田ソング、ボイスのロボが登場します。ロボものはどんな出来でも見るのですが非常にカオスでした。金がないと借金して取り立てから逃げている主人公は働かないで暮らしたいと言いつつ、実家は金持ちってそもそも物語始まらないじゃないかという突っ込みは置いておいて。似たようなジャンルではスペースダンディがキッチュ風ハイセンスにキレのあるギャグと密度のあるアニメーションやテーマ性を感じさせる作りでやりきったのを思い出します。比べるとどうしてもチープでダサくてしょうがない上に密度が薄くネタも寒いのですが、これはこれでコアなネタや風刺に走ったり割と好きにやりきっている感じもします。クソとも言えるし一週回ってこの緩さが面白いとも言えるある意味今期のダークホースだったと思います。締め方も綺麗でした。見ている感覚としては魔法少女俺やメガネブ(個人的に実はメガネブは嫌いではないと言うか目が痛くなる配色はともかくマサルさん的なシュールギャグを女子向けに作ったらああなるだろうと思って見てました)に銀魂風味を足した感じというか。3.5

 

ワンパンマン2期

普通に面白くは見れます。1期のインパクトが強すぎた感じもしますが、同じ原作者のモブのアニメ2期も何だかんだ良く動いていたのを思うと製作のスタンスによるところかもしれません。武術や怪人勢力の反撃がテーマの割に心理描写が多めだったり、動かさずに軌跡やエフェクトだけで表現したり、映像としてのエンターテイメント性がやや薄めなのは、このタイトルへの期待に対しては少し物足りない感がありました。 3.5

 

さらざんまい

劇中のリアルなのか想像なのかも曖昧な演出、舞台装置をそのまま舞台装置として描写、キレのいい動きや歩きながら近づくキャラや謎機械などの派手で過剰なバンク演出、タブー気味な生々しい要素やネタをさりげなく堂々とオサレに見せる毒のある表現、一つ一つのオブジェクトや言動が思わせぶりで意味ありげ(何かを象徴あるいは暗喩)で、やはりイクニ作品だなという感じがします。親子や兄弟や愛や欲望、世界の外側といった監督のライフワークのようなテーマを散りばめながら、SNSが日常の一部に成っている今の時代故のつながると言うこと、それでも時代を問わずあり続けるリアルな人間同士のつながりによって成り立つ過去現在未来とつながりの裏にあるもの=欲望や愛を対比させることをメインテーマに据えて、今作では男キャラ多目で見せる感じでしょうか。この監督の作品はどの作品もそうですが、突拍子もない表現で煙に巻いているように見えて、テーマ自体は普遍的でメッセージ性が強く心にしこりを残すような作風です。言うなれば純化した記号の組み合わせで物語を作るような抽象画のような手法のため、現象を追いかけると少々癖が強いので見る人を選ぶ感じはします。 4

 

盾の勇者(継続)

原作が長いという話も見ましたが、前半の期待感に対して後半はこれどこに着地するんだろう?と不安になるところもありました。波を何とか乗り越えて、他の国へ行って強化されるのかと思いきや元の国に留まってサイドストーリーが始まったり、教皇?がいきなり最前線で戦闘凶化したり、残り数話で水着回を突っ込んできたり、少し流れが場当たり的に見えてしまいました。目的設定とそこに向けた動きとそれぞれの節目でもう少しカタルシスがあったりすると見やすかったかとも思います。ビッチと他の勇者まわりの見せ方と絡ませ方は不快感が続きすぎたかなと。ハードな世界観と護る事メインの戦闘の展開は新鮮さがあったのと、ラフタリアや仲間が魅力的だったのでトータルで見て損はしない作品だと思いました。 4

 

どろろ(継続)

原作はちらっとだけ見て勝手に難解な印象を持っていましたが、大筋ではこんな分かりやすい話だったんだなと改めて思いました。
ラストは動いてはいるもののもう少し熱量のある動かし方だと良かったかなとも思います。原作通りなのかは分かりませんが、弟と母と育ての親が燃える城に取り残されると言う展開はどうなんでしょう。逃げようと思えば逃げられたようにも見えるし、育ての親も何故燃える城にわざわざ入っていったのかも謎だったり、希望を感じさせるラストの割に疑問が残る展開だった気もします。とはいえ、人間ドラマは脚本による部分も大きいのだと思いますが、現代的な表現での手塚作品はいくつかありますが、手塚絵のアクを抜きながらエッセンスを残しつつ現在の視聴者向けに作るという意味でトータルで見れば悪くないバランスだったと思います。 4.1

 

ジョジョ5部(継続)
所々若干テンポが悪い感じもしました。名言や有名なシーンがさらっと進んだり、そこを丁寧に描写するのと言うシーンも時々あったり、若干声に違和感があったりしますが、基本的にはやはり独特な世界観と濃いキャラのやり取りはいいなと。 4.3

 

 

継続も多く前期ほどのインパクトのあるタイトルは少なかったように思います。巨人は始まるタイミングが分からず録り逃しました。何となく見たもの全部に感想を書いてみましたが、自分的に引っかからなかったタイトルや評価が定まってるようなものは特に語りたい事もないので次書く時は気になったタイトルだけにしようかと思います。