mora qualitasサービス終了のお知らせ

mora qualitasはSONYの展開しているハイレゾ音楽サブスクリプションサービスです。2019年末の立ち上げの時から、お試し期間はあったものの音源の少なさとアプリの動作の不安定さや重さなどがあり、前途多難な中の立ち上げでその後もいまいち振るわない状況が続いていましたが、来るべき時が来たというところでしょうか。事前のお知らせなので実際には3月末に終了するようです。

Apple、Spotify、Amazon等と比較すると後続のmoraqualitasは音質一点突破なサービスで、排他処理が手軽にできる点も含めて音に関しては優れていただけに残念ではあります。個人的には1年目はほぼ契約し続けていましたが、2年目で代わり映えのなさに停止期間が増えていました。とはいえ、機材を入れ替えたり新たな環境を加えるタイミングで再加入していたのでなんだかんだ隔月ぐらいで使用していました。

似たようなサービスが多い音楽サブスクですが、玄人向けな高音質を売りにしたサービスの競合は意外と少なかった用に思います。その意味ではひっそりと続けていくことも可能に思えましたが、音質面では依然として有意性はあったものの、Appleが体力に物言わせてロスレスやハイレゾといった高音質の付加価値を安売りし始め、Amazonが続き、moraqualitasが後を追えなかった時点で終了は見えていたところかもしれません。
ほかサービスと比べて、高価で継続する人が居着かなかったことが一番の原因だとしても、曲数がほかサービスと比べて少ない点(ロックは自分の中では十分だと思っていましたが、ジャンルによって偏りが大きかったようです)やアプリの動作がいつまでたってももっさりとしていて使いにくい点も足を引っ張っていたように感じます。

年代を特集したり特徴的な企画やSNS連携はあったものの、いまいちぱっとしなかったのも実際です。ただ、ストリーミングメインでオーディオを聞くとなると、ハイレゾでWASAPIやASIO等の排他に対応していて本当に高音質なものとなると意外と他が見当たらないのもまた実際です。AmazonMusicも音質が近づいたもののまだ足りない感じがして、日本で正式サービスが始まっていないTIDALに移行なのかなとも。

圧縮しないストリーミングの仕組みかプレイヤーの影響か、音部分は優秀だったので、他のサービスに吸収という形でも技術が残ってくれると良いのですが。貴重な国産サービスではあったのですが、Moraとの連携が見られなかったり、国内レーベルに特に強いということもなく、PS4などのゲーム内ではSpotifyを優先するなど、当のSONY自体が本腰を入れているように見えなかったのも含めて色々もったいないサービスだったなぁと思います。