HD25-1 II

ゼンハイザー75周年記念モデルとして黄色いイヤパッドの現行HD25リミテッド版が出るようですので、少し前の記事を整理加筆して更新しました。
Momentum True Wireless2の発売に気づかず難民を覚悟していた頃、木綿が買えなかったモヤモヤを何故かHD25-1 IIのカスタムにぶつけていました。

HD25は1988年発売の古株で、ゼンハイザーの定番として長年愛されているモデルです。現在までに様々なバリエーションと派生型番を持ちます。ロック向きと言われることも多い本機ですが、タイトで浅目の乾いた鳴り方ながら、低音の押し出しの強さとすっきりした高音は実際にパワー感のあるロックやメタルによく合います。重みのあるバスドラやベース、埋もれないボーカルやギター、リズム系もタイトでスピード感があり、余分な響きや成分を削いで、聞きたい音が必要なだけ耳に届くような丁度良さがあります。標準仕様の音は今聴くには若干のゆるさや大雑把さもありますが、スマホに直刺ししてMAN WITHやLinkin ParkやHMなどの激しめの曲で勢いやノリがよく、聴いていて楽しくなってくるヘッドホンです。

上流をポタアンに繋ぐと空間がひとまわり広がってリスニング向きになり、据え置きにするとさらに音像が大きくなり、音の近さや濃さの具合的にHD660Sをタイトにしつつ若干すっきりさせたような音で鳴ります。上品さではMomentum 3とは比べるべくもなく、低音の沈み込みも空間の広さも及びませんが、直刺しのポータブル環境でも低音をドンドコ響かせて縦乗りするには手軽かつ無二の楽しいヘッドホンです。そういう意味ではHD650共々長く愛されている名機に違いはありません。

一部で万力や拘束具とも呼ばれるガッチリ頭をホールドする装着感も愛嬌です。そのホールド感にも関係する個性的な見た目もHD25を語る上では外せません。元々カメラマンのモニター機としての用途が想定されていることもあり、二つに割れるヘッドバンドと強力な締め付けはちょっとやそっとヘッドバンキングした程度ではずれません。一見するとプラスチッキーでチープにも見えますが、それぞれのパーツは簡単にばらして交換やメンテナンスすることができ、パーツ単体も中々にタフな使用に耐えるだけの強度もあります。

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イヤパッドの交換

長年使われていることに加え、DJユースだったりカスタム勢が世界中にいることもあってか、HD25はイヤパッドが数多く販売されています。標準ではベロアと合皮の2対がついてきますが、いずれも薄めなのと側圧もあり、長時間の仕様では耳が痛くなってきてしまいます。

今回は装着感がふかふかだという割と定番のYAXIのイヤパッドを選択しました。レッドのラインがアクセントとなっています。ヘッドバンドも同様に交換しましたが、純正よりも柔らかく全体的に圧迫感が減った気がします。関係ないですが、YAXIの商品を購入した時フライヤーがついてきたのですが、中々洒落ていてかっこいいです。つい飾っておきたくなりました。

音への影響は少なからずあります。元がタイトでドライな鳴り方でしたが、ふかふかのイヤパッドにすると心なしか高音が減り、距離が出ることによるのか、中低音に膨らみというか音が留まる感覚があります。人によってはスピード感が減って気になるところだとは思いますが、リスニング用と割り切ればつけ心地もいいし、柔らかい音になるのは好ましいとも思います。

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ケーブルの交換

オヤイデのケーブルにしてからは、mora qualitasで聴いているのもあるのか、思ったよりも周囲や奥に空間が広がってマイルドさが出つつ鮮明さや繊細さもあり、電子音やゆったりとした曲も十分聴けるなと。イヤパッドを変えたのもあって、元より若干高音が丸くなったことで大人しくなった印象もありますが。

因みにHD25の端子はHD600系と共通なので、650や660Sで使用していたORBのCrearForceバランスケーブルも繋がります。空間が抜けて透明感が出つつ高音がシャープになりエッジがきつめに立つので、好みに応じて選ぶと楽しそうです。ドライバの限界かややピーキーな印象ですが。ただ、このヘッドホンはリケーブル可能とはいえケーブルの差込口が上なので、収まりを良くするにはドライバユニットをヘッドバンドから引っこ抜いて上下逆にする(このヘッドホンはこういう変なことも出来ます)とよさそうです。

その後、onsoのHD650・660S兼用のhpct03をポイント総動員で購入して4.4mmバランスでPHA2A、UD505に繋いで聴いています。hpct03はHD700で普段から使用していますが、今回使用しているものも音の輪郭が掴みやすく明瞭さと鮮度と抜けのトータルバランスがよく非常に聞きやすいです。イヤパッドの影響もあり奥行きが出つつ荒々しさが消えて、それでも刺激程度のシャリつきがあり、HD25でこんな音出るんだなというか、HD25らしさが若干行方不明になっていたりもします。もう少しだけ解像感や滑らかさがあれば万能なリスニング用としても使えそうですが、本体の価格を考えれば十分な質だとは思います(ケーブルの価格はさて置き)。

また、さらに上を見れば、ORBのClearForceの最上位版がPC TripleC線で誘ってきますがさすがに・・・。

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おわりに

本来の用途としてはリスニングというよりは、DJなどの大音量環境下やカメラマンなどの少し特殊なモニタリングのために、外音の遮断と片耳跳ね上げ機能があるそうですが、その音の味付けがロックの勢いやノリを表すのにちょうど良かったというのも面白いものです。その意味ではカスタムしておきながら何ですが、案外、標準ケーブル、標準イヤパッドの若干荒さのある元気の良さこそ味わいかなという気もしています。

75周年記念モデルは少し前にTwitterのゼンハイザー公式発言で見ていて国内販売はないかと思っていましたが、タイムリーなことに6月4日現在各店舗で予約できるようです。価格も若干お安くなっています。現在のHD25はHD25-1 IIとは音が若干異なるという話もありますが・・・。黄色と黒という色が好みなのもあり、早速予約したので聴いて確かめてみようと思います。

75周年モデル関連記事 GIZMODO

https://www.gizmodo.jp/2020/06/sennheiser-hd-25-30th-anniv.html