2019年夏アニメ感想

自分用のメモを兼ねた今期の感想です。

チート魔術師
主人公とヒロインが一緒に異世界に召還されて、異世界では例によって無茶苦茶強いという設定で、黒幕の暗躍もあり次第に内戦に巻き込まれていきます。絵も構成も満遍なく低質で前期の賢者の孫よりも退屈感があります。内容を見るとタイトルに違和感を覚えます。突っ込みどころは色々あるものの、突っ込む気力が湧いてこない作品です。2.6

Yu-no
原作ゲームの方は名作と言われ、ループものとしてその後に影響を与えた作品のようですが、1本のアニメに落とし込むのが上手く行かなかったようです。ゲームのアニメ化は微妙になる事が多い印象ですが、シュタインズゲートがよほど上手かったと言うことなのかもしれません(原作は未プレイですが)。その当時のノリの片鱗や詰め込みすぎ感と唐突感が気になったりもします。2.8

ありふれた職業
学校のクラスごと異世界に飛ばされ、異世界でも冴えなかった主人公が死の淵からダークヒーローとして蘇って新しい仲間を連れてクラスを見返す話です。序盤ダイジェスト感はあるものの追って説明はされるし、作画も悪くなく展開もこの手のジャンルでは案外普通で、中二病が良い意味で機能していたようにも見えます。当初は噂を見て別方向に期待していましたが、チートとは製作の力の入れ方の差が明暗を分けた感があります。タイトルの必然性は薄そうです。3

お母さん
高校生の息子と母親がダイブ型ネトゲのテストプレイを通して親子が仲良くなって行く話です。随分と上級者向けだなぁと思いつつ、ふと主観を母親に置いて俺つええ的なギャグものをやるとこうなるのかなとも思ったりします。モンペ関連のネタとか親子関係とか妙にいい話風にまとめたり脚本は頑張っているような感じもしますが、ヒューマンドラマとしても深入りはしないので、やっぱり上級者向けな気がします。改めてお知らせの声の人はいるだけで面白いなと。3

中の人ゲノム
メカクシティとダンガンロンパ3を合わせたような雰囲気を感じます。登場人物はそれぞれが異なるジャンルのゲーム実況者で、無人島のような閉鎖空間に放り込まれて脱出をかけて運営の仕掛けたゲームに挑むと言うのが大筋になります。得意分野を実況することで問題を解決したり状況を乗り越えていくのかと思えば、特に各自の実況能力やゲーム能力が生かされるということもなく、心理戦というわけでもなく、割と淡々と取り留なく進行していくように思えました。実況者やジャンルという属性もただそういう設定というだけのようで、試聴数も意味ありげに出てくる割に時間と共に増えていきます。そして何事もなくつづくエンドを迎えました。ストーリーものというよりはキャラものという印象です。3

魔王様リトライ
ネトゲの開発者がサーバー停止と同時にネトゲの人物として異世界に転生します。設定からしてどこかで見たことあるようなよくある異世界転生ものです。全体的に作画や背景の省エネが少し気になります。日常系に片足突っ込んでいるというか話の展開よりもキャラに重きを置いている印象です。
それはそうと、最近ネトゲは下火なのにこの手のネトゲ的な転生系が多いのは何なんでしょうね。ソシャゲへの誘導も兼ねてるんでしょうか。3

かつて神だった獣
1話を見た時点で、その後兵器として改造された人たちが敵になるんだろうなという展開が読め、そのまま期待通りに進んだ感覚です。ヒロインの動機と役割が若干気にならなくはないですが、何だか悲哀強めに見せるパターンに入ったような展開になってからはちょっと淡々としているようで、現時点ではもう少し予想が裏切られるような展開が欲しいかなとも思いました。敵側が主人公でも成立する物語のようにも思えつつ、ケインの嫉妬に見えると言われる展開やラストの獣の姿でなくオーラパンチで決着な辺りは真面目なのに面白く見えてしまったりも。3

コップクラフト
妖精のいる世界と交流を持った世界の警察に所属する男と異世界から来た貴族の少女の物語です。
どこかで見たような設定がちらほら見られたり、小粋なアメリカンジョークなノリや米ドラマの雰囲気を出そうとしているのが気にならないではないですが、自分としては面白く見れていました。ただ、村田蓮爾の絵(後から知りましたがなるほど、と)を再現したり動かすのが難しいのか予算の都合か、作画が崩れることでも話題です。素材は悪くなさそうなだけにアニメーション部分で損をしているように見えるのはもったいないというか、完成度の分高評価もしにくいなと。3.5

彼方のアストラ
学校行事として高校生だけの宇宙研修のはずが、謎の球体に巻き込まれて気付くと宇宙の果てに遭難・・・という作品です。
若干無理して現代風のノリを出している感も受けますが、青春ものとしては見やすい作品だと思いました。ストーリーとしては12話ということもありどこかに重きを置く必要はあるのだと思いますが、主人公達の出自や謎関係にウェイトがあるため、SFとしては気になる点が湧いてきたりします。インターステラーを見ていると超光速で航行を繰り返していると相対的に時間がどんどんずれて結末でウラシマ状態になってそうとか。偶然同型機が遭難している場所に不時着したり、降り立つ惑星が悉く大気の問題もなく、生命体がいてしかも食用にも出来るとか。帰る目処がついていない状態な上、どのような状態かも分からない遭難者のコールドスリープを解いたりも突っ込みどころでしょうか。エネルギーは無尽蔵だし、水と食料関係のサバイバルや星間移動がトラブルはあるにせよ航行距離に対してやけにトントン拍子で進むので、一見シリアスなのでSF的に見てしまいますが実際は少し不思議系ジュブナイルというか、突っ込みは野暮なのかもしれません。3.5

グランベルム
魔法で動くSDロボ+美少女のバトルロイヤルもの(主人公の立ち位置的にふと龍騎を思い出しました。エグゼイドのネタも見ましたがどちらもライダー)のようです。自分には何もないと言う主人公が自分の存在理由が見出せないからと、ロボに乗れた「特別」を理由に戦いに身を投じます。エフェクト多目ですが戦闘では良く動き熱さもあります。ただ、基本的な話が内向的なのと夜が舞台なのと中ボスのようだった敵が大ボスなのもあってか、全体的に小さくまとまって見えます。ネタバレ以降それまでの話について追想で印象が変わるのもありますが、急にスケールが大きいような逆に狭くなったような感じで、全編通していまいち真主人公(黒髪の方)に魅力が出なかったなと。これなら前半の青い主張のぶつけ合い路線でも良かったというか、終わってみればロボアニメであることが設定やストーリーに制限を課した感もありました。3.5

Dr.STONE
ある日突然人間(とツバメ)が石化、数千年後に主人公が目覚めると文明は崩壊していた、という状況を背景に物語は始まります。
少年漫画らしい作品だなと。序盤の展開から、特殊環境でのサバイバルものとして見ていると溢れ出るB級感という印象でしたが、実の所科学実験漫画というか、むしろ人間賛歌的に技術の歴史と科学実験のネタに対して物語を膨らませた作品だと考えるとこれはこれで面白いなと思いました。3.5

炎炎
少年漫画的な設定ですがキャラが立っていて世界や主人公の周辺に謎もありつつ、テンポも良く勢いや熱量も感じられます。ハーレムものになりつつあるのが少々気になりますが。3.5

ヴィンランドサガ
全体的に濃い絵柄のバイキングの物語です。民族の詳細な描写や死生観など、序盤は丁寧で上質な印象でしたが、話が進むほどにお約束の子供が紛れる=そこを突かれて弱みになって父親死亡、その後も何故か仇に着いて行ってサバイバルというお約束と謎展開の連続で茶番感が出てきて、それに伴って作画もカロリーが減っていき若干の残念感が。血なまぐさい壮絶さはあるものの物語や構成にお約束以上の骨子が見えにくく、悪くはないのですが面白いかというと何とも言えない感じと言うか。その後主人公成長後の本編に入ってから持ち直し、2クールあるようで先が気になる展開になってきました。3.8

まちカド
最近はメタ的な視点で勇者や魔王や魔法少女といったファンタジーを捉えなおした作品も多く、 この作品はきらら系の魔王/魔法少女ものです。きらら系にしてはアグレッシブさもありますが基本的にはゆるふわ日常ギャグものです。4

高木さん
タイトル通りやっていることは1期と同じで安定しています。見ていて微笑ましい系ですが、当事者だとイラッとしたりもしそうかなとか、美少女だから成立してる感もなくもないです。とはいえ他にない個性のある作品だと思います。木村が漢でした。4

ダンベル何キロ
ライフスタイルの提案系というか、ジムで筋トレするだけではあるのですが、その今までにない特殊な方向に突き抜けているというか、マッチョというだけで面白いのがずるいと思いつつ面白い。しっかりメリハリつけて見せるところは上手い反面、最初のインパクト勝負な感じもしないではないです。SNSでも筋トレ系が明らかに増えた感もありますし、見ていて自分もと思わせるという意味では扇動力は高いのかもしれません。4.1

鬼滅の刃
特に今期の特徴かもしれませんが、最近は少年漫画が深夜放送されることが多い気がします。作画も全体通せば安定していて動きも良く、現代的な繊細さを持ちながら努力友情勝利な王道展開が垣間見えたように思います。4.2

今期は良い方もダメな方も粒ぞろいで安定度の高いシーズンだった感じがしました。毎度結構な数見てますが基本的には微妙だと思ったものは1.5倍~2倍で見て都度気になったことをメモってます。あと元々評価が安定してそうなものは後回しにしたり。