Painter2019と2020体験版とCLIP STUDIO

連休の頃から久しぶりに絵を描き始めたのですが、がっかりしたことと関心したことがありました。

自分は昔からPainter派で2000年から2014年ぐらいまでPainter6Jを使い続けて、2GBのメモリ上限問題やペンタブドライバ問題もパッチや諸々の工夫で乗り切り、その後Procreate等のタブレットも使いつつ2015に乗り換えました。で、最近数年ぶりにPC環境が変わって、Macになり(というか以前からMacだったのですがPCゲー等の都合によりブートキャンプでWin運用でした)、環境を一新したついでに、Painterも最新版にしようと2019を導入して最近使い始めたiMac2019版にインストールしました。

 

Painter2019(Mojave環境)

MacのMojaveとの相性もあるのかもしれませんが、ストレージはSSD、メモリは32GB、CPUもi9ですが、どうにもPainterがもっさりしています。スペックがはるかに低いWin7で使っている2015の方がまだサクサクしています。特に、自分はペン横についているサブボタンに消しゴムを割り振るのですが、この切り替えが重い重い。消しゴム自体数秒フリーズしたかと思えば急に消された後の結果が反映されたり、PC自体フリーズしそうになるというか、ワンストロークごとに謎の読み込みが入り、動作がカクカクになります(個人的にはワコム系元々の仕様であるテールスイッチに消しゴムってのも、描点の位置がずれるし大げさなアクションをしなきゃならなくて昔から疑問です)。ただ、普通に消しゴムツールに持ち替えた場合も多少はましになるものの、やっぱりカクカクするのでどの道使い物になりません。同じことを過去の環境(Winで2015)やPhotoshopで試すと何のラグもなくスムーズなのを思うと、Painter2019(あるいはMacOS上でのこのソフトが)がダメなだけなんだなと。

またPainterではMac上で設定されている通りの解像度しか出ていないようで、100%表示にした場合2560表示になり、Retinaの無駄使いになるようです(MacのOSで未だにUIだけ拡大モードがないのも何ですが)。このあたりadobeのソフトはちゃんとOS設定と分けて等倍表示できる辺り、ソフトの設計の古さというところなのでしょう。

それにしても、最近のバージョンの機能だとか新しいブラシだとか使い勝手だとか、もっとポジティブな事が書きたかったのですが、書く以前の状態だと何も書きようがないんだよなぁと。

追記です。その後Mac版はパッチが当たったので恐る恐る試し書きしていたら、全体的に軽くなってました。ただ、相変わらず消しゴムだけは1秒ぐらい止まります。この消しゴムと解像度の対応の2つだけでも解決されればメインツールに復帰できそうなんですが、さて・・・。まぁ消しゴムはブラシ内で選ぶという手もありますし、高解像度原寸表示はどのみち完成状態を見ながら大雑把に手を入れるのと確認用ぐらい(それが大きいのですが)なのでぼやけた2560でも妥協できなくはないです。事前に情報を入れていなかった自分が悪いとは言え、調べても5KのiMacでの表示については検索にかからないし、2020で改善されればアプデしようかとは思います。

 

CLIP STUDIO導入

現状で割とハイスペック寄りのPCにもかかわらずこの状況ではどうしようもないので、別のソフトを検討していました。結果、値段が数分の1のCLIP STUDIOを導入しました。こちらはPainterと比べるとイラスト・コミックに特化していて、何かにつけて気が利いた設計な上に軽いです。Painterをマイルドかつカジュアルにしたようなラスター描画とPhotoshopのような調整レイヤーと、これ1本で完結出来そうな良いとこ取りな上に、ベクター描画もサクサクできたり、コミック機能(はあまり使わないと思いますが)などの現代的な機能もついています。

ブラシ周りの細かい設定項目や書き味そのものはペインターの方が好みですが、それなりにブラシのカスタムができるのと、ソフト内で等倍表示もしているようで、このあたりもいいなと。

Painterのカスタムバリアントと割と似たようなことが最初から簡単に出来る上に、書き味も万人受けしそうなクリスタは定番になる訳だなと思ってます。ある意味ではそうした状況にPainterでも太刀打ちできるだろうという目論見でいた訳だったのですが、返り討ちどころか自滅して取り込まれました。

追記です。色々いじってはいるものの、小奇麗になることに対してこれで良いんだろうかというか、どうも物足りない感が自分の中に出てきています。やはりエフェクトは仕上げだけで基本的にはゴリゴリ描いていきたい派なので、根本的な部分でアナログの癖が抜けないというか。絵を描くんじゃなくて絵の状態を作ると割り切らなくてはと思うのですが、中々。ついでに、流行の書き方も取り入れようかと思いつつ、それに納得しない自分もいて結局中途半端になっていくという。どうせやるならどっぷり浸かればいいわけなので、絵を描いてる感覚がなかろうとやってみるか・・・。

 

おわりに

Painterの書き味は代えがたいものがあるので、旧環境で描くときだけ使用することになるのは少々さびしい気がします。以前のサイトでは使い方やカスタムバリアントも含めた講座的なページも作るほど好きなソフトだったのですが、改善されることを祈ります。Painterは6Jで自分的に使いやすいカスタムバリアントを大量に作っていて、2015でも過去のメモを頼りにそれらを再現したりもした関係で愛着を持っていたのですが、色々とどうなんだろうかなと。

何となく、PhotoshopにPainter6J程度のカスタム機能を持ったアナログ感のある描画機能とカスタムパレットが追加されるだけで自分的には満足しそうです。混合ブラシでようやくペイント感が出るようになりましたが、カスタマイズ性がいまひとつで。写真等の素材から取り込んだブラシでスタンプのように時短するのも正直絵じゃないよなぁと。まぁ最近は絵と写真の境界も曖昧ですし昔から写真を絵のように扱う加工をやっていたのを思うと、それがずるいとかの感情はないですが。
Painterは追加の重いブラシシミュレーションカテゴリよりも安定して軽い動作や基本的な使い勝手や機能が現代的に洗練されるだけでも使い手はそれなりに残ったと思うんですよね。または廉価版で6Jの描画仕様+基本部分を軽い現代仕様とか。

追記です。Win10環境でも2019を試してきました。マシンはSurfaceStudio、i7、32GBで試しましたが、やはりカックカクで、iMac2019より一回りスペックが低い分全ての反応が遅く、全く作業にならない感じでした。どんなブラシでもスムージングを0にしてもワンテンポ遅れてfps低く軌跡が追いかけてきます。(因みに同じPCのCLIPSTUDIOは4000×4000でもサクサク)。さすがに正常な動作とは思えないのでここまで来ると謎です。

さらに追記です。2020が来ていたので体験版をインストールしましたが、GPUを使うようになった以外は大きな変更はなさそうでした。ベンチでは一応全ての項目で問題なさそうで2082の良好でしたが、相変わらず消しゴムへの切り替えが遅いのとキャンバスがRetina非対応で100%表示でも50%表示でもぼやけるので、OSでアプリごとに表示サイズを変えられるようになるかソフトが対応するまでアプデはスルーしようかなと。因みに上のWin10のSurface Studioにも入れてみましたが2019と変わらずそもそもスタイラスにリアルタイムで追従してこないので変わらず描く以前の問題でした。ただ、GPU対応の恩恵か調整レイヤー的な機能がFHDで数枚程度であれば軽くなっていたのは改善が実感できました。大解像度で大量に重ねてもサクサク動くかは試してないですが。

アプリケーションはPainter2020だけ起動の状態です。Radeon Pro vega 48は1060と1070の間ぐらいらしいのでそれほど早いわけでもないようですが、検索やツイで見るスペックに対する数字より低めなのが解像度も影響しているとすると尚更RetinaディスプレイのMacでPainterを使う意味はなさそうです。